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近年、バンコクのオフィス市場は、コロナ後の回復、経済状況の変化、働き方の進化、そして世界的な出来事の影響を受け、大きく様変わりしています。
本記事では、2021年から2025年までの主要エリアにおけるオフィス賃料の推移を比較し、企業が移転や拡張を検討する際に知っておきたいポイントを紹介します!
CBDは常にバンコクの中でも最高水準の賃料を誇るエリアで、戦略的な立地、BTS/MRTなどの交通利便性などが人気の理由です。
2021年:新型コロナの影響により大型オフィス需要が減少し、平均賃料はやや低下。プライムオフィスの平均は 800〜1,100バーツ/㎡/月。
2022年:企業活動の再開により賃料は安定し、グレードA物件を中心にやや上昇。平均は 約900〜1,100バーツ/㎡/月。
2023年:柔軟でモダンなオフィスへの需要増加により、賃料は 約1,000〜1,300バーツ/㎡/月 まで上昇。
2024年:ハイブリッド勤務が定着し、CBDの賃料は 1,100〜1,400バーツ/㎡/月 で安定。
2025年(予測):供給面で“黄金の年”とされ、83.5万㎡が建設中で、うち52.4万㎡が今年中に市場に登場予定。
直近の主な新規開発 | 竣工/完成予定 | 場所 | 延床面積 |
---|---|---|---|
One City Centre | 2022年 | プルンチット | 約6.1万㎡ |
One Bangkok Towers 3 One Bangkok Towers 4 One Bangkok Towers 5 |
2024年(段階的) | ルンピニ | 約28.9万㎡ |
Siam Pathumwan House | 2023年12月 | サイアム | 約5.1万㎡ |
APAC Tower | 2025年 | エカマイ | 約3.2万㎡ |
Dusit Central Park | 2025年予定 | シーロム | 約6.3万㎡ |
CBD以外のエリアも躍進を見せており、「賃料」と「コストパフォーマンス」のバランスを重視するテナントの需要を捉えています。特に、テック企業、スタートアップ、メディア系企業に人気が高く、手頃な価格で近代的なオフィスが手に入る点が評価されています。
バンコクのオフィス市場は、ビジネスニーズの進化に応じて変化を続けています。移転や新オフィス設計を検討している企業は、最新の賃料トレンドを把握することで、予算や業務に合った最適なロケーションを確保することができます。
グローバル不動産コンサルティング会社のナイトフランク(タイランド)は、現在の市場動向について、「どの地区か」よりも「そのエリアが提供する価値(コスト効率、交通利便性、柔軟性、開発会社の信頼性など)」が重視されるようになってきていると指摘しています。
さらに、2025年3月の地震を機に価格や立地重視から、“顧客ケア”や“リスクマネジメント”重視の時代へと移行しつつあることも、バンコクのオフィス市場が重要な転換点を迎えている証といえるでしょう!