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バンコクでオフィス移転や契約条件の見直しを検討している企業にとって、現在の市場環境は比較的有利な状況にある。
Colliers Thailandの2026年第1四半期レポートによると、バンコクのオフィス市場では新規供給が増えており、借り手側が条件を比較しやすい状況が続いている。賃貸需要は前期比14.6%減少した一方、新たに84,303㎡のオフィススペースが市場に供給された。募集賃料も前期比0.26%下落しており、貸主側ではテナントを確保するための競争が強まっている。
新しいオフィスビルが増えることで、テナント企業にとっては選べる物件の幅が広がっている。
これまで希望条件に合う物件が少なかった企業でも、立地、賃料、広さ、ビルのグレード、設備の新しさなどを比較しながら、自社に合ったオフィスを探しやすくなっている。特に、現在のオフィスに対して賃料負担、通勤のしにくさ、建物の古さ、設備面の不満を感じている企業にとっては、移転を検討しやすいタイミングといえる。

借り手優位の市場では、賃料だけでなく、契約条件や入居時のサポートについても交渉しやすくなる。
Colliersは、貸主がテナントを獲得するために、競争力のある賃料条件やインセンティブを提示していると指摘している。ここでいうインセンティブには、一定期間の賃料を無料にするフリーレント、内装費の補助、柔軟な契約期間などが含まれる。企業側にとっては、単に賃料の安さだけで判断するのではなく、入居後にかかる費用や契約条件まで含めて比較することが重要になる。

一方で、オフィス需要が完全に弱まっているわけではない。CBRE Thailandによると、2026年第1四半期のバンコク・オフィス市場では、純吸収面積(ネットテイクアップ)が11,000㎡を超え、8四半期連続でプラスを記録した。全体稼働率も79.3%に上昇している。
特に目立つのは、より質の高いオフィスへ移る動きである。これは「フライト・トゥ・クオリティ」と呼ばれ、企業が単に安い物件ではなく、立地、設備、建物の印象、働きやすさなどを重視してオフィスを選ぶ傾向を指す。CBREによれば、CBD内のGrade A+オフィスや、非CBDエリアのGrade Aビルには引き続き需要が集まっている。

バンコクのオフィス市場では、新規供給の増加によって貸主間の競争が強まり、テナントにとって有利な条件を引き出しやすい局面にある。
ただし、条件の良い物件ほど他社からの関心も集まりやすい。移転を検討する場合は、賃料だけでなく、立地、設備、契約条件、内装コスト、将来の拡張性まで含めて早めに比較することが重要である。
現在のバンコク・オフィス市場は、単に「安いオフィス」を探す時期ではない。企業にとって本当に使いやすく、価値のあるオフィスを、より有利な条件で選びやすいタイミングである。
出所:https://www.colliers.com/en-th/research/bangkok-office-market-q1-2026